8・エコー、ディレイ、リバーブ

 今回はオーバードライブ、ディストーションといった「歪みもの」に続いて「響きもの(空間系)」についてざっとお話しておこうと思う。

 「響きもの」エフェクターとは何なのか? 君達にいちばん馴染みがあるのが、カラオケのエコーである。ああいった生音に響きを持たせるエフェクターを「響きもの」とか「空間系エフェクター」と呼ぶ。カラオケもエコーなしで歌うより、エコーかけて歌うほうが心なしか上手く聴こえるのと同じで、楽器もただの生音よりも響きがあったほうが上手く聴こえる。ただしこれもカラオケと同じで、やたらとかけると安っぽい音になってしまう。

 このエフェクターのグループは二つに分けられる。一つは「ディレイ」、もう一つは「リバーブ」である。

 「ディレイ」は原音に遅れた音を付加することができる。(Delay=遅れ、遅らせる)いわゆるやまびこ効果が作れる。例えば一回「ジャン」と弾くだけで、その後に「ジャン……ジャン……ジャン……」と遅れた音(ディレイ音)がついてくる。どのくらい遅れるか(ディレイ・タイム)、何回くらい繰り返させるか(リピート・タイム)、ディレイ音の大きさ(ディレイ・レベル)などを調整する事で、様々な効果を作り出せる。

 ディレイを使うときに頭に入れておきたいのは時間の単位である。ふだん私達は「秒(セカンド=S)」を使っているが、ディレイを設定するときにはより細かい単位を使う。「1秒=1000ミリセコンド(mS)」である。

 いくつか使用例を紹介すると、
 360mS位(自分の好み)で数回のリピートにするといかにもギターソロ向きなディレイ。
 15mS位で1回だけのリピートにするとまるで2本のギターが同じフレーズを弾いているように聴こえる。これを「ダブリング」という。

 他にもいろいろ「技」はあるんだけど、実際にやっているのを聴くのが一番。機会があれば「ディレイでここまでできる」というのをやってみようかな。

 リバーブはディレイの進化したものと考えればいい。いろんなディレイタイムのディレイ音を作って、実際のホールや部屋での残響を作り出すことができる。ディレイがやまびこだとしたら、リバーブは大きな洞窟のなかの残響を真似たものといえるかもしれない。リバーブにはいくつか種類があって、部屋の残響をシミュレートしたもの(ルーム・ディレイ)、ホールの残響をシミュレートしたもの(ホール・ディレイ)、昔の鉄板を使ったリバーブをシミュレートしたもの(プレート・リバーブ)、などがあります。リバーブはこういったリバーブの種類や、空間の大きさや、響いた音の音量や高音の失われ具合など、様々な設定をしてやることができます。これも実際に聴いてみるのが一番かな。

 ディレイとかリバーブというのは機械の仕組みとしては非常に似ているので、リバーブをディレイとして使ったり、一つのエフェクターでディレイとリバーブをいっぺんにかけちゃうなんてこともできます。前回紹介したコーラスも実はディレイの仲間です。ディレイ音をちょっといじる(音程をちょっとずらしてやるようなもの)ことでコーラスの効果を作り出すことができるのです。
以上、ディレイを中心として「響きもの」エフェクターについてでした。